愛知県のこと教えます

愛知県が抱える「診療制限問題」とは?

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愛知県は全国でも5番目に医師数の多い県です。それは医大が多く、若い医師を確保しやすい環境が整っているということ、単純に人口が多いことなどが理由として挙げられます。ただ、そんな愛知県にも医療面における問題があります。それが人口に対する医師の割合の少なさ。人口10万人に対する医師数は135.2人と全国平均を20人近く下回っており、全国でも下から10番目の数字です。同じように人口10万人に対する病院数も4.4施設と、全国で下から3番目の数字になっています。

この状況はなかなか改善されず、医師不足を理由に診療制限を行う施設は2016年6月時点で県全体の約22%にあたる73施設にまでのぼっています。医師不足によって施設が稼働できず、診療科そのものが休止したり、入院の休止や急患を受け入れ制限を行なったりしている深刻な施設は診療制限を実施している73施設中、半数以上の47施設となっており、こちらも見逃せません。また診療科別に見ると、診療制限をしている施設がもっとも多いのは内科、次いで整形外科、さらに小児科、精神科、産婦人科が横並びになっています。施設の絶対数が少ない診療科ほど切迫しているといっていいでしょう。

そこで愛知県では2009年度から奨学金の返還を免除する地域枠の実施を始めました。ですが医学部卒業後の研修期間である2年間を除くと、その医師が県内に所属する義務を負うのは7年間だけ。地域枠には医師を永続的に確保する効果はありません。育成数の確保そのものが流動的である点を念頭において考えると、この地域枠を活用して育てた人材をいかに定着させるかが今後の課題になるでしょう。

医師の定着が課題となっている愛知県。診療制限を行っている割合の高い小児科や産婦人科は、キャリア医師の集中している名古屋市においても不足しているため、好条件の医師求人が多いようです。最近ではインターネット上でも医師求人をチェックできるようになっており非常に便利になっています。こちらで特集されている愛知県の医師求人特集などを見てみるといいでしょう。診療制限によって適切な医療サービスが受けられないのは、県民にとっても深刻な問題。早急な改善が求められています。日本の都市・名古屋

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